国寶大崎八幡宮の松焚祭は悠久の歴史を有す全国でも最大級の正月送りの行事で、正月飾りや古紙礼等を焼納する正月送りの行事であり、同宮においては「松焚祭(まつたきまつり)」といいますが、他地域では一般的に「左義長(さぎちょう)」、またはその火の勢いから「ドンド焼き」等とも呼ばれています。
1月14日の夜、境内の一角に近郷近在より持ち寄られた門松・注連縄・松飾り等は、日没の頃「忌火」により点火され焚き上げられます。この火は正月の間に各家庭を訪れていた神々を送る「御神火」として、あたると心身が清められ、一年間無病息災・家内安全の加護を得ると言い伝えられています。
また、この「御神火」を目指して参拝する「裸参り」があります。これは厳寒時に仕込み入る酒杜氏が醸造安全・吟醸祈願のために参拝したのが始まりとされ、江戸時代中期には既に定着していたようです。現在においても、白鉢巻・白さらしを巻き、口には私語を慎む為に「含み紙」をくわえ、右手には鐘・左手には提灯を持ち、市内各所より数千人が参拝するさまは、杜の都・仙台の冬の風物詩として全国に知られています。